【浮気調査報告書シリーズ最終話】追跡――“彼女の本当の住所”を突き止めるまで

夜が明けた街に、かすかな雨の匂いが混じっていた。
前回、ご主人と浮気相手女性が“別宅”に入ったところで調査は終了した。
その翌朝、二人は周囲を警戒しながら姿を現し、足早に立ち去った。
――だが、彼女の居住先は依然として不明のままだった。

探偵の仕事は、「見逃さないこと」よりも「待ち続けること」にある。
私たちは再び、あの朝と同じように、彼女の自転車駐輪場から静かに張り込みを開始した。

◆ 見えない帰り道を追って

昼を過ぎても彼女の姿はない。
それでも、駐輪場の3階に止められた黒い自転車は、昨日と同じ位置にある。
彼女が動けば、この自転車も動く――それが唯一の手がかりだった。

夕暮れ、空の色が群青に変わる頃。
やがて、ひとりの女性が現れた。
昨日と同じ黒いリュックを背負い、スマートフォンを握りしめながら、落ち着かない様子で辺りを見回している。
彼女だ。
浮気相手女性。

私たちは車中から目線を外さず、彼女がどの方向へ向かうのかを見守った。
やがて彼女は自転車に跨り、駅とは反対方向――住宅街の奥へと消えていく。

◆ 静寂の中の灯り

彼女の自転車を追うこと、およそ二十分。
ようやく辿り着いたのは、古いアパートが並ぶ一角だった。
その中でもひときわ目立たない、二階建ての小さな建物。
街灯の届かないその場所で、彼女は自転車を降り、そっと扉を開けた。

その動作には、帰り慣れた人間の自然さがあった。
彼女は辺りを見回しもせず、鍵を差し込み、室内へ――。
一瞬、ドアの隙間から灯りがこぼれた。
私たちはその光を確認し、ここが彼女の居住先であると断定した。

◆ “秘密の住処”が意味するもの

この部屋こそ、彼女の本拠地。
渋谷の雑居ビルも、ご主人の別宅も、彼女にとっては“通過点”に過ぎなかった。
日常と非日常の境界線――それがこの部屋だったのだ。

深夜、部屋の灯りが消えるまでの数時間、
彼女は外出せず、来客もなし。
ただ静かに、その夜を過ごしていた。
だが、その静けさの裏に、ご主人との秘密が眠っていることを、私たちは知っていた。

◆ 翌朝の決定的瞬間

翌朝。
再びアパート前に車を停め、出入口を注視。
やがて扉が開き、彼女が姿を現した。
黒いリュック、昨日と同じダウンジャケット。
鍵をかけ、自転車にまたがる。
そのまま最寄り駅へと向かい、中央線方面の電車に乗り込んだ。

その行き先は――昨日、ご主人と過ごした街だった。

彼女は間違いなく、ご主人と定期的に接触している人物である。
居住先も判明し、証拠映像はすべて記録済み。
依頼者が求めていた“真実”は、ここでひとつ、形を得た。

【調査結果まとめ】

浮気相手女性は都心の雑居ビルを拠点としていたが、実際の居住先は郊外の小規模アパートであることが判明。

ご主人との接触は新宿を経由し、主に夜間。

ご主人の別宅にて一夜を共にする様子を確認。

行動には常に警戒心が見られるが、日常行動の中に明確な習慣が存在。
→ 継続監視により、再会パターンの特定が可能。

 探偵社コメント

「真実」は、誰かが語るものではなく、“行動”が語るもの。
私たち探偵は、その行動を静かに観察し、証拠として残します。
もしあなたが、パートナーの“もうひとつの顔”に気づいたなら――
迷わずご相談ください。
あなたの心に寄り添い、冷静に、確実に、真実をお届けします。

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