【浮気調査報告書シリーズ第2話】消えた午後と“再会の夜”――ご主人の別宅に消えた影

調査開始。
朝の街はまだ眠気を引きずりながらも、人々の生活の音が少しずつ増えていく時間帯。
私たちは、ご主人の浮気相手女性の居住先特定を目的に、彼女の自転車が置かれている駐輪場から監視を開始した。

しばらく現れないまま時間だけが過ぎる。
冷たい空気が肌を刺し、探偵にとっての“忍耐の時間”が流れていく。

やがて――
グレーのパンツに紺と茶のダウンジャケットを羽織った女性が現れた。
彼女こそ、浮気相手女性だ。
黒いリュックを背負い、自転車を止め、駅へと向かっていく。

彼女は八高線から青梅線、そして中央線を乗り継ぎ、最終的に新宿、そして渋谷へ。
人波の中を軽やかにすり抜け、原宿方面へと消えていく。
その姿は、どこか目的を秘めているようで――迷いがなかった。

やがて彼女は、渋谷の繁華街にある古びた雑居ビルへ入っていった。
鍵を手に、まるで“帰る場所”であるかのように、3階の一室へ。
その部屋のドアには表札も番号もない。
かつて美容クリニックが入っていた形跡はあるが、すでに閉院済み。
外部からでは中の様子をうかがうことはできなかった。

そのまま昼を過ぎても、彼女は姿を見せなかった。
午後、いったん調査を中断し、夜の再開を待った。

夕刻。
再び現場に戻ると、彼女の自転車は朝と同じ場所にあった。
日が沈み、街の灯が一つずつ灯り始める。
私たちは二手に分かれ、彼女とご主人、それぞれの動向を追った。

夜の新宿。
ご主人の勤務先ビルの出入口を注視していたその時――
ひとりの女性がエレベーターホールから現れた。
あの浮気相手女性だ。

彼女は新宿駅へ向かい、中央線のホームへ。
数分後、そこに現れたのは――ご主人だった。

まるで時間を合わせたかのように、二人は同じ車両に乗り込み、自然に隣り合った。
車内では、さりげなく視線を交わしながら、小さな微笑みを交わす。
恋人たちにしか分からない、静かな合図だった。

電車は郊外へと進む。
そして、国分寺駅、青梅線へ乗り換え、東青梅駅で下車。
改札を抜けた二人は、夜の住宅街へと歩き出した。
手を繋ぎ、笑いながら――。

やがて、ご主人の“別宅”とされるマンションへ。
オートロックを解除し、エレベーターに乗り込むその背中には、僅かな警戒の気配が見えた。
振り返り、後方を確かめる仕草。
まるで、自分たちの秘密を守るように。

部屋の明かりが点いたのは、それからすぐだった。
私たちは外からその光を確認し、静かに夜を見守った。
やがて、日付が変わる頃、室内の灯りは消えた。

二人は、同じ夜を過ごした――。

翌朝。
まだ朝日が昇りきらぬ時間帯、二人はマンションのエントランスに姿を現した。
周囲を警戒しながら、素早く外へ出る。
まるで、誰かの視線を感じ取ったかのように。

その慎重さから、私たちは追跡を断念。
調査はここで終了とした。

今回の調査で、ご主人と浮気相手女性が都心から郊外の別宅で一夜を共にしたことが確認された。
しかし、彼女の居住先は依然として不明。
二人の関係がどこへ向かうのか――
真実の全貌を明らかにするため、調査は次の段階へと進む。

 探偵のコメント

恋愛の裏側に隠された“もうひとつの生活”は、往々にして人の目をすり抜けます。
しかし、その一瞬の油断が、真実を明るみに出す鍵になるのです。
もし、あなたのパートナーにも「説明できない時間」があるなら――
私たちが、その“空白”を明らかにします。

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