査は冬の夜に始まった。
冷たい風が街を包み、ラーメン店の暖簾が静かに揺れている。
その厨房で働くのは、依頼者・ご主人。
表向きは真面目な店員、だがその夜、彼の行動はいつもと違っていた。
◆ 静かに始まった追跡
閉店後、駐車場の一角に停まる白い大型車。
それがご主人の愛車だった。
仕事を終えた同僚たちが次々と店を後にする中、彼だけはなかなか動かない。
やがて、エンジンが低く唸りを上げ、白い車が闇の中へ滑り出した。
探偵は距離を保ちつつ、その後を追う。
国道を抜け、街灯の少ない郊外へ──
車は不自然なほど落ち着かない動きを見せ、脇道へ入り、しばらく停車。
だがすぐに再び走り出し、今度は海沿いの運動施設の駐車場に停まった。
運転席のライトの下に浮かぶシルエット。
彼は何かを待っているようだった。
◆ そして現れた“影”
深夜を過ぎたころ、一台の車が近づく気配。
その中から降り立ったのは、若い女性。
年の頃は二十歳前後。
カジュアルなパーカー姿のその女性が、ご主人の車へと歩み寄る。
二人は言葉を交わすでもなく、まるで約束が当然だったかのように寄り添った。
コンビニの駐車場で短い会話を交わした後、
二人は再び車に乗り込み、夜の街へ消えていく。
その行き先は──ラブホテルだった。
◆ 秘密の一夜
ホテルの駐車場に滑り込む車。
指定された部屋番号の前で停車すると、二人は車から降り、静かに扉の中へ。
そこから、長い沈黙が始まった。
窓のカーテンが動くこともなく、時間だけが流れていく。
夜が明け始めた頃、ようやく二人が姿を現す。
まるで何事もなかったかのように、車に乗り込み、朝の光の中へと走り去った。
◆ 女性の素性へ──新たな手がかり
その後、車は住宅街へ入り、ある家の前で停車。
女性が車を降り、一人でその家の中へ消えていく。
おそらく彼女の自宅か、関係者の家なのだろう。
そして、ご主人の車は再び走り出し、
やがて自宅付近に戻って停まった。
彼は、まるで何もなかったかのように、家へ帰っていった。
◆ 調査員の目に映ったもの
この夜の行動で、ご主人と若い女性の親密な関係は明らかとなった。
勤務後に直接会い、深夜にホテルで過ごし、翌朝に別れる──
その一連の行動には偶然の余地はない。
探偵としての私たちは、感情を挟まず、ただ「事実」を見届ける。
だがその背後にある人間模様は、いつも胸に重く残るのだ。
編集後記
今回のケースは「勤務後の行動パターン」を綿密に追うことで、決定的な証拠を掴んだ調査でした。
特に、深夜の移動ルートの把握と出入りの確認は、浮気調査において最も重要な要素です。
浮気の真実は、いつも日常のすぐ隣に潜んでいます。
「最近、帰宅が遅い」「急にスマホを手放さなくなった」──
そんな小さな違和感からでも、真実を明らかにすることができます。

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