夜の帳が降りはじめたころ、私たちは調査対象である奥様の勤務先周辺から調査を開始した。
ビル街の片隅に建つその職場は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返り、灯りもまばらだ。
駐車場を確認したが、奥様の社用車の姿はなかった。
不穏な胸騒ぎを覚えながら、私たちは周辺の探索へと舵を切った。
やがて、ショッピングモールの屋上駐車場の一角。
ほとんどの車が去り、暗闇が支配する空間の中で、白い車がひっそりと息を潜めていた。
車内には奥様と思しき人影が。
薄暗い車内、運転席のルームライトがぼんやりと浮かび上がり、孤独な夜の始まりを告げていた。
しばらくして、車は静かに発進する。
私たちは追尾を試みたが、途中で交通の波に阻まれ、姿を見失う。
その後、ようやく再び車を見つけたのは、駅前のパチンコ店の駐車場だった。
ブレーキランプが光り、そして消える。
奥様はそのまま運転席を倒し、まるで何かを待つように、夜の中で身を潜めていた。
時間が過ぎても、車は動かない。
ただ、車内の静寂だけが時を刻んでいる。
やがて深夜、街の灯りがひとつ、またひとつと消えていく頃――
ついにその瞬間は訪れた。
暗がりの路地に、一人の浮気相手男性が現れた。
30代後半ほど、落ち着いた雰囲気を纏う男性。
グレーのアウターに茶色のスカートという装いで、夜風に髪を揺らしながら、奥様の車の助手席へと乗り込む。
無言のまま、車は動き出した。
目的地は、誰にも知られない夜の隠れ家。
途中、コンビニに立ち寄る二人。
肩を並べ、静かに買い物をする姿は、まるで長年連れ添った恋人のようだった。
その自然な距離感に、私たちは息をのむ。
再び車に戻った二人は、街外れの駐車場へと消えていった。
長い沈黙のあと、車は住宅街の一角で停車する。
助手席の扉が開き、浮気相手男性が降り立つ。
見送りの視線を残して、奥様の車は夜の闇に溶けていった。
その男性はしばらく立ち尽くしたあと、自宅と思しき一軒家の中へと姿を消した。
そこは静まり返った住宅街。
敷地内にはオレンジ色の軽自動車と数台の自転車。
明かりは消え、夜風がそっとカーテンを揺らす。
――ふたりの逢瀬は、闇と沈黙に包まれて終わりを迎えた。
この日の調査は、ここで終了となった。
しかし、残された夜の記録は、確かに“秘密の関係”の存在を物語っていた。
▼探偵の一言メモ
浮気調査では「待つ」時間こそ真実を引き寄せる瞬間です。
一見何も起きていないように見える夜の静寂の中にも、確実に“関係の証拠”は息づいています。
もし、パートナーの行動に違和感を感じたなら――
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